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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第42章 盗み見(第七部)
竹内が訪れるようになってから二か月がたっていた。
悪夢にうなされた後、母の優しい慰めで圭子は眠りについていた。

「マ・・マ・・・」

もう一度目を覚ました時、母はいなかった。

「う・・・ん・・・」
軽く、のびをした。

時計を見ると、もう十一時を指している。

ノロノロした動きで着替えをすませ、階段を下りていった。

家の中には誰もいないのか、シーンと静まりかえっている。

ダイニングのテーブルに書置きがあった。

『出かけてきます。今日は日舞の発表があるので遅くなりますが、夕方には帰ります』

「ママ・・・・」

小さく呟くと、遠い目をしてたたずんでいた。

眩しい夏の日差しが窓から差し込んでいる。

用意されている食事の支度も手をつける気がしない圭子は、自分の部屋に戻った。

ベッドに倒れ込むように身体を投げ出した。

急に苛立ちがこみ上げてきた。

「ウッー・・・・」

シーツに顔を埋め、呻くように声を出している。
(あの人に、会いにいったのね・・・)

「嫌いっ・・・・」
少女が叫んだ。

「大嫌いっ・・・」

それは男に向かって言ったものか、母に対してのものか、自分でもよく分からなかった。

顔を上げると、涙で滲んだ目がキラキラと光っていた。

「ママァ・・・」

切なく声を絞り出す圭子は、未だに気持ちの整理がつかないまま途方にくれていた。
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