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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第81章 終章
もう一度、鏡の中の娘を見つめると、愛らしい微笑みを返してくれる。

「あっ・・・」

圭子が顔を上げると、釣られるように窓の外を見た。

「まぁ・・・」

香奈子も息を呑んだ。

薄闇を濃い紫色の光が地平線を染め出している。

日が昇るにつれ、色の波長が変わりオレンジ色が混ざっていく。

『綺麗・・・・』

二人は同時に呟いた。

だが爽やかな光景に言い知れぬ不安が香奈子の胸によぎる。

何かに似ていると思う。

「素敵・・・」

圭子はウットリと見つめている。

鏡に映る表情は、十六歳の無垢な清純さを取り戻していた。

(ああ・・・そう・・・・)

香奈子は不安の原因が分かり、フッと口元をほころばせた。

そして肩越しに圭子の手をギュッと握り締めた。

「ママ・・・・」

その強い力に少女は頬を染めた。

「圭ちゃん・・・」

愛おしい顔をジッと見つめながら、香奈子は改めて誓うのだった。

(きっと、守り続けてみせる・・・・)

今度こそ、圭子を幸せにしなければならない。

たとえ、どんな障害が待っていようとも。
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