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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第14章 二度目の訪問(第三部)
「香奈子の奴・・・ダイエットのしすぎじゃないのか?」

隣りに座る娘に、晴彦は心配そうな声で聞いた。

豪華な内装の座席は広々としていて、ゆったりと足を伸ばす事が出来る。

勿論、幼い頃から行儀作法を躾けられている圭子は、美しい姿勢で言葉を返した。

「そうね、ちょと顔色が悪いみたい」

「だろう?あのお茶・・・・効き過ぎなんじゃないか?」

「まさかぁ・・・?」

圭子は口元を綻ばせて否定した。

「確かに効果はあるみたいだけど、そんな強いものじゃないと思うわ。むしろ元気が出るのよ、あれを飲むと・・・・私のテニスも調子いいし」

「ふーん・・・」

「ママは元々スマートですもの、あと昨日は御客様に気を使いすぎたのよ」

「そうか、そうだな・・・・」

娘の言葉にホッとした表情で呟いた。

昨日、竹内を連れてきた事で少し負い目を感じていたのだ。

古くからの友人とはいえ、あまり歓迎するような客ではない。

優しい妻と娘は人一倍気を使う方なので、かなり疲れたのだろう。

「それよりも、パパ・・・今日から出張でしょう?」

「あ、ああ・・・・」

突然、話を振られて晴彦は動揺したのか声を詰まらせた。

「いいなぁ・・・・沖縄に三日間か、私も行きたいなぁ」

「馬鹿だなぁ・・・・仕事だよ、面白くもないさ」

努めて平静に答えようとしている。

「フフ・・・・冗談よ、パパは何時もお仕事で大変なんですもの。でも、この頃毎晩遅いから・・・・たまには早く帰ってほしいな」

さびしそうにうつむく娘が、いじらしく思える。

「ゴメンゴメン、出張から帰ったら暫くは家でゆっくりするようにするから」

「約束よ、パパ・・・」

「あ、ああ・・・・」

だが、圭子の純真な眼差しを晴彦は真っ直ぐ見られなかった。

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