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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第15章 竹内
二人が二十三歳になった頃、竹内は晴彦に呼び出された。

『今度、結婚する事になったんだ』

紹介された少女は、晴彦の隣りで恥ずかしそうに俯いていた。

『矢島香奈子です・・・』

竹内は言葉を失い、立ち尽くしていた。

(な、なんて・・・・)

美しい人だろう。

表現出来ない自分がもどかしい程、可憐な印象が心に迫る。

少女の顔立ちも仕草も、何もかもが竹内の好みにピッタリとはまっていた。

(こんな・・・こんな美しい人が世の中にいたなんて)

香奈子に比べれば、今まで憧れていた女優やアイドル等は霞んで見えるほどだった。

『きっと、遊びにいらして下さいね』

別れ際、優しく微笑む少女の声が脳裏に響いたまま消えようとしなかった。

天使のような微笑に、竹内は狂おしい程の慕情を募らせた。

僅かな時間に話しただけなのだが、いやそれだからこそ心に強烈に焼き付いてしまったのだろう。

それは生まれて初めての恋だった。

しかし、決して報われる事のないものだった。

残酷な事実が胸に突き刺さる。

少女は友の妻となり、やがて生まれる子供を宿しているという。
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