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嵐の夜に痕をつけられて
第2章 元彼と雨
三日前、二年間付き合った彼氏に振られた。

他に好きな子ができたそうだ。
正直、そんな予感はしていた。
だって明らかに最近の亮太は私に興味がなさそうだった。
 
最後に二人でデートに行ったのはいつだろう。
思い出せないくらい前だ。
今では週に一回連絡がくればいい。
それも会って食事だけして終わり。
最近は職場ですれ違ってもほぼ無視だ。


「……亮太が別れたいならいいよ」

「お前本当に可愛くねぇよな。
 別れたくないとか少しは言えねぇの?」

「だって他に好きな子ができたんでしょ。
 私にはどうしようもないよ」

「恵さぁ、そういうすぐ諦めるとこ直したがいいよ」


どの口が言っているんだろう。
この二年間散々他の女の子と浮気も、浮気まがいなこともしてきたのは一体誰だろう。
 
そんな人に可愛くないだのすぐ諦めるだの言われても、ああそうですね、としか言えない。


「まぁいいや、お前んちに置いてる俺の荷物は今度取りに行くから」

「わかった。来る前に連絡して」
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