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嵐の夜に痕をつけられて
第2章 元彼と雨
そして今、私は会社に一人残っている。
今日の天気予報は聞いていた。
たった今降り出した雨は、これから夜にかけて激しい雨に変わるそうだ。
残業はせずになるべく早く家に帰るようにと上司にも言われた。
私もそのつもりで今日の分の仕事は終業前には終わらせていた。
空はすでにどんよりとした重い雨雲に覆われている。
まだ五時すぎなのに外はかなり暗い。
外回りの社員はそのまま直帰する人がほとんどらしく、オフィスに残っている人間は三分の一もいない。
私も早く帰ろう。
冷蔵庫には昨日作ったおかずがまだあるから買い物をする必要もない。
パソコンを落としてコーヒーカップを片付けるため給湯室へ向かった。
「ちょっ……ヤダァ……」
「……、………」
「もぉ……早く……よぉ」
給湯室の横には非常階段に繋がる扉がある。
いつもは閉まっているのに、誰かが通ったのかドアが閉まり切らずにラッチボルトが引っかかっている。
ドアの隙間から漏れる女の声。
よく聞くと後輩のサヤちゃんだ。
そして合間に聞こえるのは聞き慣れた男の声だった。
今日の天気予報は聞いていた。
たった今降り出した雨は、これから夜にかけて激しい雨に変わるそうだ。
残業はせずになるべく早く家に帰るようにと上司にも言われた。
私もそのつもりで今日の分の仕事は終業前には終わらせていた。
空はすでにどんよりとした重い雨雲に覆われている。
まだ五時すぎなのに外はかなり暗い。
外回りの社員はそのまま直帰する人がほとんどらしく、オフィスに残っている人間は三分の一もいない。
私も早く帰ろう。
冷蔵庫には昨日作ったおかずがまだあるから買い物をする必要もない。
パソコンを落としてコーヒーカップを片付けるため給湯室へ向かった。
「ちょっ……ヤダァ……」
「……、………」
「もぉ……早く……よぉ」
給湯室の横には非常階段に繋がる扉がある。
いつもは閉まっているのに、誰かが通ったのかドアが閉まり切らずにラッチボルトが引っかかっている。
ドアの隙間から漏れる女の声。
よく聞くと後輩のサヤちゃんだ。
そして合間に聞こえるのは聞き慣れた男の声だった。