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好きになってくれてありがとう
第15章 はじめまして
「あなた、私は理恵ちゃんと話したいことがあるから先に帰ってて。帰りはタクシーでもつかまえるわ。翼あなたも仕事に戻って結構よ。」
毒毒しい感じもまったくなくあっさりした感じでいうと翼さんはため息を付いて言った。
「別に何かを心配しているわけじゃない。理恵と母さんだって仲良くできると思ってるけど、いきなりしかも俺のいないときに家に押しかけてくるのは許しがたいな。」
確かに翼さんが帰ってきてくれたからよかったけどこの前三人だったら地獄絵図だ。
良かったのが悪かったのかとりあえず翼さんがお父さんを連れて家を出た。
私は紅茶を入れてミルクとレモンを用意しソファに座るお母様の前に置いた。
「ミルクでもレモンでもストレートでも飲めるように準備しておりますのでよろしかったらどうぞ。」
「ありがとう。生のレモン?」
「はい。友人が広島の生口島のレモン農家に嫁いだので毎年フレッシュなものを送ってきてくれて。
酸味が強いのでレモンだと砂糖を少し入れたほうが美味しいと思います。」
私が言った通りにカップにレモンと砂糖を落とし一口飲んだあとゆっくりと私を見た。