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人生最後のセックス
第1章 人生最後の
 私は頷いた。彼は肉棒に手を添えながら穴の入り口に先を当てる。腰を動かしながらなんとなくあたりをつけて差し込むのではなくて、ちゃんと丁寧に挿入してくれる。そういうさりげない優しさが、大切にされていると感じていつも嬉しかった。
 なんの抵抗もなく彼のモノがするすると中に入っていく。それだけで声がもれて涙が出る程気持ちがいい……。
「んぅっ……あっ、んぅっ」
 奥まで入ると彼は腰を動かさず、覆いかぶさって舌を絡ませてくる。
 動けばすぐに終わってしまうことが二人とも分かっているから、キスに夢中になっている振りをしていた。それでもむずむずと動きたい欲求が大きくなっていって、この一回だけと彼に腰を押しつけた。
 彼のモノが奥に届く。力を抜けば少し出て行く。いつもと変わらない動き。それなのに快感はいつもの数倍だった。
「動かれたら我慢できなくなるじゃん。動いて欲しいの?」
 まだまだこのまま繋がっていたい。でも体は快感を求めて動き出そうとしている。めちゃくちゃに突かれたい。いっそ最後に私を壊して欲しい。これが私の人生最後のセックスなのだから。
 私の腰がもう一度動く。
「たくさんして?」
 彼が上体を起こして後ろに手をついた。
 腰が動く。気持ちのいいところが擦られて、勝手に腰が動き出す。
「はっ、あぁ、あっ、気持ちい……」
 彼と繋がっていることが嬉しかったし、この体位も気持ちがいいのだが、顔が遠い。もっとよく見ていたい。もっと近くに感じたい。
「正常位でして……? 抱きしめて、たくさん突いて」
 優しく擦られる快感に悶えながらなんとか言葉をこぼす。
 手を私の頭の横について上から見下ろす彼。なかなか動いてくれそうにない。
「一つ、約束して欲しいことがあるんだ」
 真剣な顔で見つめられて、何を約束するんだろうと思うと同時に、焦らさらないで早く動いてとじれったくて仕方なかった。
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