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契約的束縛・過ぎ来し方(すぎこしかた)のメモリー
第4章 メモリー本郷
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あの日から緊縛師というワードが頭から離れない。
たまの交代休みの日、俺は対象者の家から出て向かったのは一番近いボディーガードの待機場所、都内に複数ありこの仕事に付いている仲間の連絡や管理を行っている。
なぜここに来たかと問われれば緊縛師堈晃のことを調べるためと即答で言えるだろう。
そう俺は知りたいんだ、あのマンションのこと、緊縛師のこと、堈晃や一緒に居た男のことを。
「……さほど情報は無しか……」
裏に近いこの世界だから一般よりはなにかを探れると思ったが、見つけられたのは堈晃に関してのみ。
(現五十九歳。十九歳の時に緊縛師へ弟子入りし、数年で頭角を現しメディアにも取り上げられるほど緊縛の技に定評があるらしい。受け継いだのは古典緊縛で基本の麻縄を自在に操ることから、一部から『古の緊縛師』とも呼ばれている……か)
出て来たのはこんなもの、これなら自分が持つスマホでも検索出来る範囲だっただろう。無駄足と思えばいいのか、簡単には調べられないと前向きに思えばいいのか判断に苦しむなこれは。