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縛られたい
第14章 ささやかな誤解、そして別れ〜まりあ
49日の法要まで執り仕切った後、
相続、というより贈与の手続きを弁護士さんがしてくれた。

たまたま元夫の銀行が、
すーさんの…鈴木副支店長さんの支店だったので、
また、あれこれご相談もさせて頂いた。

離婚時に遡って財産分与の修正をするなど、
面倒なことまでしてくださった。

また、当時、運転手さんと家政婦さんをあの家でしてくださっていたご夫婦に対しても、
出来たら贈与出来ないのか相談してみた。

そして、本当に偶然にも、
母、優子さん、そして元夫がお世話になったホスピスに、
寄付をさせて頂くことにした。



私は知らなかったことだったけど、
元夫は阿部さんに対して手紙を残していたそうだった。

そのことは、
かなり後まで知らなかった。


そして、今回のことで、
誤解をさせない為にも、
内緒ごとはしないようにしようと、
阿部さんと話をした。

たとえ、心配させない為にとか、
理由があったとしても、
小さな綻びから大きなヒビが入ったりすることがあるからと阿部さんは言った。


それと、阿部さんは心配性なことも判ったし、
心配した時にすぐに口にしないで、
呑み込んで、溜めてしまうことも判った。


そこは、
思ったことをすぐに口にしてしまう私とは違うと感じた。

もっと気遣わないと…と反省してしまって、
本当にごめんなさいと何度も謝ったら、
「お仕置きしないとね?」と笑われてしまった。


「えっ?
お仕置きって?」
と訊くと、

「んー。
縛ってお尻、ペンペンだね?」と言って、
「もっと酷いお仕置きが良いのかな?」と、
わざとふざけて笑った。

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