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縛られたい
第15章 元夫さんの手紙〜阿部
元夫さんからの手紙なんかを入れた箱を先方の弁護士さんから渡されたことは、
まりあさんに言えないでいた。
「内緒にしてごめんなさい」と何度も泣きながら謝るまりあさんに、
俺の方も内緒をしている。
でも、まりあさん宛に書いていたその手紙を、
まりあさんではなく、
俺に託した元夫さんの気持ちを考えると、
そして、見せないで欲しいと最後に書いてあるのを読んでしまったことで、
秘密を抱えることになった。
その箱は、事務所の俺のデスクの一番下の段に入れて、
時々、独りで読んでいた。
そして、読みながら、
これ、手紙じゃなくて、
本人に直接言ってあげていれば、
結婚生活も上手くいっていたんじゃないかと思うこともあった。
まりあさんに言えないでいた。
「内緒にしてごめんなさい」と何度も泣きながら謝るまりあさんに、
俺の方も内緒をしている。
でも、まりあさん宛に書いていたその手紙を、
まりあさんではなく、
俺に託した元夫さんの気持ちを考えると、
そして、見せないで欲しいと最後に書いてあるのを読んでしまったことで、
秘密を抱えることになった。
その箱は、事務所の俺のデスクの一番下の段に入れて、
時々、独りで読んでいた。
そして、読みながら、
これ、手紙じゃなくて、
本人に直接言ってあげていれば、
結婚生活も上手くいっていたんじゃないかと思うこともあった。