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縛られたい
第3章 ラブホでの出来事、そして〜阿部
俺、ホントに馬鹿。
カラオケボックスとかで良いのに、
なんでラブホなんかに入ったんだよ?

心の底から思いながら、
頭の中を整理して、
妻の話をしようと思った。



妻とは学生結婚だった。
俺が京大で、彼女は近くの女子大生。

半分同棲みたいな感じ。
若かったし、毎晩のように抱いて、
4回生になった時に子供が出来たけど、
俺の親は激怒して勘当されてしまった。

妻は既に父親を亡くしていて、
母親とも仲が悪くて行き来をしていなかった。


俺はバイトして、1年留年はしたけど、
なんとか資格も取ってこっちに帰ってきて、
最初の事務所に就職して家族を養った。


2人目を授かるのに時間が空いたのは、
忙し過ぎてそういうこともあんまり出来なかったからだ。

でも、性欲はあるから、
俺、ビデオとか観て「処理」していた。
それに気付いた妻は心の底から軽蔑したような顔をした。
だから余計に所謂セックスレスになった。

たまたましこたま酒を呑んで帰宅して、
無理矢理、妻を押し倒してヤッて、
2人目を授かった時、
妻は最初、「堕ろす」と言った。


「上の子と6歳離れてて、
育児、大変じゃない?
貴方、全然家のことも育児も手伝ってくれないし」


俺はどうしても子供は産んで欲しいと頭を下げて、
家事も育児も手伝うからと懇願して、
優斗が産まれた。


相変わらず、妻とはセックスレスのままで、
仕方なくこっそりビデオで抜いたり、
仕事の付き合いで行く店で欲望を満たしていた。



妻の子宮癌が見つかったのは、
5年前だった。

子供は既に2人居たから、
全摘して生存率を高めることを「2人で」決めた。


でも、その後、妻はすっかり変わってしまった。


セックスレスでも、
基本的に明るくて大らかで、
身体つきもふっくらしていた妻は、
陰気で無口で家事もしなくなった。

すっかり痩せてしまって、
枯れた枝みたいな皮膚になってしまったのは、
病気のせいだったと思う。


暫くすると、なんだか判らないけど、
自然食品とか調理法とかセミナーにのめり込んで行ってしまって、
科学的な治療も拒否するようになって、
定期検診にも行かなくなっていた。

そして、気付いたら癌が転移していた。
乳癌だったが、リンパ腺を通って他にも転移していた。
手の施しようもないと宣告されたのが1年ほど前だった。
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