この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
縛られたい
第3章 ラブホでの出来事、そして〜阿部
一気に話して目を開けると、
渡辺さんは肩を震わせながら泣いていた。
「えっ?
何?
渡辺さん、どうしたの?」と俺は渡辺さんの肩に手を置いた。
「だって…癌だなんて…。
物凄く痛くて辛いだろうなと思って…」
「もう末期で、
手術をする体力もないんだよ。
痛みを少しでも和らげるのにモルヒネとか使うくらい。
お見舞いに行っても辛そうで見てられないし、
優子も、あ、妻もそういうとこ、見られたくないって言うから、
俺、あんまり行ってない。
娘は母親にべったりだったから、
良くお見舞いに行ってるよ」
「私の母も、癌で亡くなりました。
最期は本当に辛そうで…。
一緒に居るのも辛かったですけど、
私を1人残して亡くなるのが辛いって、
母は泣いてました。
奥様も、お嬢様とまだ小学生の優斗くんを残して亡くなるの、
辛いし、怖いと思ってるんじゃないかな?」
「ずっと、俺のことは…、
なんかバイ菌みたいに見てたからな。
セックスどころか、
手も握らせてくれなかったしな。
俺、性欲が強すぎたのかな?
いや、普通だと思うけど。
だから、自分でするしかなくてさ。
ビデオくらい、観るよね?
浮気した訳じゃないのに、
本当に冷たい目で見られたな」
「んー。
どんな気持ちだったのかは判りませんけど、
ちゃんとお話し、したんですか?」
「そう言われてみると…
確かにきちんと話、してなかったかもしれない」
「お嬢様とも、ちゃんとお話し、
してみた方が良いですよ?
親子は、どんなことがあってもずっと親子なんですから。
あの…奥様が亡き後も、
お嬢様と阿部さんの親子関係は、
ずっと続くんですよ?
だから、お話ししてみてください」
「でもさ、娘のゆりあは…、
妻との関係が深いから、
俺のこと、優子がそうだったみたいにバイ菌と思ってるんだよ。
本当に汚いモノを見るような目で見るもん」
「それも、阿部さんの主観でしょ?
訊いたこと、あるの?」
「いや、ないけど。
はっきり言われるのも、傷つくよ」
「言わないまま、誤解しあってるのかも。
女の子って、そういうとこ、あるかも。
私は父を早くに亡くしたから…。
余計に生きてるうちにもっと話もしたかったなって、
今でも思いますもの」
そう言いながら泣いている渡辺さんを、
思わず抱き締めて俺も泣いてしまった。
渡辺さんは肩を震わせながら泣いていた。
「えっ?
何?
渡辺さん、どうしたの?」と俺は渡辺さんの肩に手を置いた。
「だって…癌だなんて…。
物凄く痛くて辛いだろうなと思って…」
「もう末期で、
手術をする体力もないんだよ。
痛みを少しでも和らげるのにモルヒネとか使うくらい。
お見舞いに行っても辛そうで見てられないし、
優子も、あ、妻もそういうとこ、見られたくないって言うから、
俺、あんまり行ってない。
娘は母親にべったりだったから、
良くお見舞いに行ってるよ」
「私の母も、癌で亡くなりました。
最期は本当に辛そうで…。
一緒に居るのも辛かったですけど、
私を1人残して亡くなるのが辛いって、
母は泣いてました。
奥様も、お嬢様とまだ小学生の優斗くんを残して亡くなるの、
辛いし、怖いと思ってるんじゃないかな?」
「ずっと、俺のことは…、
なんかバイ菌みたいに見てたからな。
セックスどころか、
手も握らせてくれなかったしな。
俺、性欲が強すぎたのかな?
いや、普通だと思うけど。
だから、自分でするしかなくてさ。
ビデオくらい、観るよね?
浮気した訳じゃないのに、
本当に冷たい目で見られたな」
「んー。
どんな気持ちだったのかは判りませんけど、
ちゃんとお話し、したんですか?」
「そう言われてみると…
確かにきちんと話、してなかったかもしれない」
「お嬢様とも、ちゃんとお話し、
してみた方が良いですよ?
親子は、どんなことがあってもずっと親子なんですから。
あの…奥様が亡き後も、
お嬢様と阿部さんの親子関係は、
ずっと続くんですよ?
だから、お話ししてみてください」
「でもさ、娘のゆりあは…、
妻との関係が深いから、
俺のこと、優子がそうだったみたいにバイ菌と思ってるんだよ。
本当に汚いモノを見るような目で見るもん」
「それも、阿部さんの主観でしょ?
訊いたこと、あるの?」
「いや、ないけど。
はっきり言われるのも、傷つくよ」
「言わないまま、誤解しあってるのかも。
女の子って、そういうとこ、あるかも。
私は父を早くに亡くしたから…。
余計に生きてるうちにもっと話もしたかったなって、
今でも思いますもの」
そう言いながら泣いている渡辺さんを、
思わず抱き締めて俺も泣いてしまった。