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縛られたい
第5章 居候、そして優子さんとのお別れ〜まりあ
「なんか、お腹減った」と優斗くんが言う。

「ピザとか、食べに行くか?」

「石窯があるトコが良いな」

「お姉ちゃん、呼んで来て?」

「あ、私は留守番してますから、
3人で行って来てくださいね?」と言うと、

「え?
まりあさん、行かないなら、
僕も行かない」

「じゃあ、ゆりあさんが一緒に行ってくれるなら、
みんなで行きましょうね?」と言った。


その日、初めて4人で外食をした。
ゆりあさんはチラチラと私のことを見ながら、
つまらなそうな顔でピザを食べてたけど、
一歩前進した感じはした。


その7日後の夕方、
ホスピスから急な連絡が入って、
先に阿部さんと優斗くんが向かった。

途中、一緒にお見舞いも行ってたから、
ゆりあさんの帰宅を待って、2人でタクシーで2人を追い掛けた。


昏睡状態で、とても辛そうな顔をしていた。


私は「外に出てますね?」と言うと、

「お母さん、まりあさんの名前も呼んでたよ?」と優斗くんが引き留めるので、一緒に病室に残った。


そして、深夜の1時40分に、
優子さんは静かに眠ったまま息を引き取った。


阿部さんは静かに涙を流していたけど、
ゆりあさんと優斗くんはあまり泣いては居なかった。


順番に死に水を取っていって、
私も最後にそっと優子さんの唇に水を差した。



「先に子供達、家に連れて行って貰えるかな?
俺、葬儀会社の人と、打ち合わせするから」


「あの…ご自宅に優子さん、
お迎えするなら、
お部屋の準備しておきますけど?」


「そうか…。
リビングの隣の和室かな?
ちょっとそこも相談してみる」


「折角だから、
お家に連れ帰ってあげてくださいね?」と言って、
ひとまず子供たちとタクシーで帰宅した。


リビングの隣の和室は、
ガランと何もない部屋だった。


私はお茶を淹れてから、
お茶ガラとちぎった新聞紙をざっくり撒いて、
それを箒で履いてから、
硬く絞った新しい雑巾で丁寧に畳を拭いて、
その後、乾拭きしていった。


それをぼんやりした顔で、
ゆりあさんと優斗くんが見ていた。


「早く寝て?
疲れたでしょう。
明日、お母様、戻って来るから、
綺麗にしておくわね?
学校もお休みすることになるけど、
お父様、電話をするのも忘れるかもしれないから、
学校の電話番号、明日の朝、教えてね?」と声を掛けた。
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