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縛られたい
第5章 居候、そして優子さんとのお別れ〜まりあ
「あ、変なこと、言ってる?
うちは母がずっと高校の先生やってたけど、
女子生徒が望まない妊娠しちゃって、
大変なことになったこととか、聴かされてて、
相談に家に来るヒトとかも居たから…。
責任取って結婚しますって言う男性なら良いけど、
そんな人、殆ど居ないんですって。
外に出したとか、ゴム使ったって、
言い訳してね、
自分じゃないって言い張るらしいから…」


「恭平先輩は、そんな人じゃないし…
まだ、してないもん」


「大切にしてくれてるなら、良いじゃない?」と言った。


「あ!
それと、ラブホの件は、
確かに阿部さんと私ですよ?」


「ええっ?」と優斗くんが言った。


「嘘とか、適当な言い訳はダメだよ。
後から、違ってたって判ると、
嘘つかれたっていうことで、
信じて貰えなくなるもん。
あの時は、ヒトに聴かれたくない話をしたくて、
そこに入ったのは事実。
主にお母様の話だったけどね。
阿部さん、紳士的で、
2人、ずっと離れたトコに座って話をしたの。
あ、最後にハグはしたけど、
キスもしてないし、
私達、手も繋いでないよ?
だって、そういう関係じゃないし。
阿部さんも、私のこと、
別に何とも思ってないでしょう?
私も、今のところ、雇用主としか思ってないもん」


「そうだよ。
僕が大人になったら、
まりあさんと結婚したいんだもん」と優斗くんが言うから、
私は笑ってしまう。


「大人になったら、優斗くんは、
もっと自分に相応しいヒトと出会うよ。
その時は、私、オバサンだもん」


「俺は…」


「えっ?」


「渡辺さん、可愛いと思ってるよ。
でも、今は、優子のことを妻として愛してるし、
俺みたいなオジサンのことを、
渡辺さんが考えてくれるとは思えない。
将来のことは判らないけど、
今は、雇用主として、
住む処がない渡辺さんをサポートしたいのと、
俺の仕事を手伝って欲しいと思ってるよ?
本当は家事も手伝って欲しいけどさ」


「家事は…。
こちらの母屋に私が入るの、
ゆりあさん、気に入らないんじゃないですか?
お手伝い、必要ならやりますけどね?」と言った。


「別にどうでも良いけど…」と言って、
ゆりあさんは部屋に入ってしまった。
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