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縛られたい
第6章 雪解けの気配〜まりあ
疲れ切って明け方に阿部さんが帰宅した。

「取り敢えず、直ぐに横になってください。
何時に優子さんはこちらに戻って来る予定ですか?
その頃、起こしますから…」と言うと、
「ありがとう」と言って、
そのままフラフラと2階に上がって行った。


私も事務所のソファベッドで仮眠を取ることにした。


翌朝は、黒いワンピースに着替えて、
髪も後ろで一つにまとめてゴムで結んだ。


多分、みんな、食欲もないかもしれないと思って、
近くの24時間スーパーに行って、
キッチンを借りてご飯を炊いてから、
小降りのお稲荷さんとおむすび、味噌汁と筑前煮、卵焼きを作っておいた。

ご飯は要らないと言うかもしれないので、
念の為に、パンや卵、ハムなんかも買っておいた。


スーパーのお花屋さんに早咲きの桜があったので、
それも買って、床の間にそっと活けておいた。


8時前に、優斗くんが起きてきた。

お腹、空いてるというので、
「ご飯かパン、どっちにする?」と訊くと、
「ご飯!」と言うので、
お皿に筑前煮と卵焼き、おむすびとお稲荷さんを並べて、
お味噌汁も出しながら、
「同じもので良ければ、
まだ、あるからね?
眠れた?」と訊くと、
「うん。でも、なんか、怖い夢、見たよ?」と言った。


次に、ゆりあさんが起きて来た。

「何か食べておきます?
この後、忙しくなるかも」と言うと、
「パンが良いな」と答える。


ハムエッグと温野菜少しと、
ヨーグルトを添えてトーストを出す。

「飲み物は?
コーヒー、飲めるの?
紅茶?」

「コーヒーに牛乳とお砂糖入れたヤツ」と言うので、
コーヒーマシンで作って出すと、
小さい声で「ありがとう」と言ってくれた。


「眠れた?
大丈夫?
あっ!
学校に電話しないとね?
学校の名前とクラスと担任の先生の名前、
ここにメモして?
阿部さん、起きれないみたいだから、私、電話しちゃうね?」と言うと、
ゆりあさんは頷いた。


阿部さんの秘書と名乗って、
深夜にお母様が亡くなったことと忌引させていただくこと、
詳細はまた連絡することを伝えた。


9時半過ぎても阿部さんは起きて来なかったので、
優斗くんに、
「お父様、起こして来てくれる?
10時にはお母さん、戻ってくるから…」と言うと、
「はーい」と言いながら、階段を駆け登っていった。
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