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縛られたい
第9章 本当のプロポーズ〜まりあ
4月になって新学期が始まった。


家事と事務仕事を平行して行う。
ダスキンさんはお断りした。
家政婦業する私が居るのに、
ダスキンさんを呼ぶのは不要でしょ?と言ったら、
「じゃあ、ダスキンさんに払っていた分、
お給料に加算させて?」と言われてしまった。


毎朝、ゆりあさんのお弁当も作るようになった。
美味しいって言って貰えて、
物凄く嬉しくて、ついつい力が入ってしまう。


進学のことなんかも、夜、話をするようになった。

優斗くんは、
「受験って…間に合うかな?」と言った。
サッカーも強くて、進学率が良い私立を受験してみたいと言う。

「あそこだったら、特進クラスと普通のクラス、
2回受験出来るし、
系列の学校もあるから、
そこも受ければ、4回受験の機会がある。
チャレンジしてみる?
私、そこの卒業生だから、
勉強みれるよ?
でも、算数とかは忘れちゃったかな?」と言ったら、
「僕、頑張る!」と笑う。

「俺、優斗の算数なら見れるよ?」と阿部さんも言う。

「ダメでも、公立に行けば良いし、
目標作ってトライするのは楽しいわよ?」と笑った。


「ゆりあはどうする?
私立文系だよね?
推薦にするの?」

「私、法学部に行きたいな?
司法試験受けて、弁護士になりたい」

「それは素敵な目標ね?
ここから通えて、合格率高い私立大学にする?」

「うん。
良い大学は推薦枠、少ないから入れるかな?
ダメなら普通に受験する!」

「英語、国語と…社会は何?」

「世界史です」

「それなら、私、手伝えるかな?
だって、文系だったし、
まさとさんより受験、最近だもんね?」と笑った。

「そういえば、専攻、文学部だったっけ?」

「英文学です」

「大学はどこだったの?
お嬢様学校かな?」

「結構男子が多かったな。赤門です」

「赤門って何?」と優斗くんが訊く。

「東大だよ?
凄いね?」

「京大に行きたかったけど寂しいからダメって母に言われて」と笑った。


そんなこともあって、2人が帰宅すると、
ダイニングテーブルを囲んでみんなで勉強するのが日課になった。

阿部さんは仕事で加われないこともあったけど、
ワイワイ勉強をするのは楽しいし、
日曜は模試に行ったりするようになった。


嫌なことが少しずつ遠ざかって行って、
新しい目標に向かって動き出して行くのを実感出来た。
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