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彼女に抱かれたい
第20章 船出の時
「すっご…広いですね…」
「でも、なんか殺風景な所ねぇ、お父さん。」
「まぁ…遊びのためじゃないから当然でしょ。」
「でかっ!何あの船。」
お義母さんの目線の先には、いろんな旗が飾られた大きな巡視船がいた。
サトシくんはこれから、あんな船に乗るんだ…カッコいいな。
自分の夢を着実に、一歩一歩進んでる。
私たちはある程度周囲を見学した後、広場に並んだ。
何でも、行進があるんだとか。
敬礼台?の上にいるのは、テレビで見たことある偉い人。
あの人は…国土交通大臣だったっけ。
彼はホントに国家公務員の一員になったんだ…。
突如、ブラスバンドが鳴り響いた。
行進が始まるんだ!
カッコいい制服を着た青年がキビキビとした駆け足で出てくるのが分かった。
駆け足を止め、ビシッと気を付けの姿勢で佇むその人物は、遠目からでもすぐに分かる、最愛の人。
『分列行進ー!!』
彼が張り上げた声でブラスバンドの曲が始まり、行進が開始された。
一番先頭を歩くのは…サトシくんだ!
厳かな雰囲気だけは壊さないよう、声を張り上げたい気持ちを抑え、お義母さんとお義父さんに小声で話した。
「サトシくん…一番先頭歩いてますよ!!」
「ホントねぇ!」「やるな。サトシ。」
彼はキリッとした精悍な顔つきで真っ直ぐに前方を見つめたまま、美しい動作で行進する。
彼の目にあったはずの幼さは影を潜めていて、すっかり大人の顔つきになっていた。
黒の綺麗な制服に身を包み、白い手袋をはめて歩く姿が眩しい程にかっこいい。
お義母さんは「バスの運転手みたい」とか茶化してたけど…。
私の目の前に来た時、彼は再び声を張り上げた。
『かしら〜中!!』
彼の張り上げる声に、一糸乱れぬ動きで敬礼台の上にいる偉い人へ敬礼し、歩みを進めていった。
行進だけしか見ていないというのに、彼の一年の頑張りを垣間見た気がして、涙が出た。
「でも、なんか殺風景な所ねぇ、お父さん。」
「まぁ…遊びのためじゃないから当然でしょ。」
「でかっ!何あの船。」
お義母さんの目線の先には、いろんな旗が飾られた大きな巡視船がいた。
サトシくんはこれから、あんな船に乗るんだ…カッコいいな。
自分の夢を着実に、一歩一歩進んでる。
私たちはある程度周囲を見学した後、広場に並んだ。
何でも、行進があるんだとか。
敬礼台?の上にいるのは、テレビで見たことある偉い人。
あの人は…国土交通大臣だったっけ。
彼はホントに国家公務員の一員になったんだ…。
突如、ブラスバンドが鳴り響いた。
行進が始まるんだ!
カッコいい制服を着た青年がキビキビとした駆け足で出てくるのが分かった。
駆け足を止め、ビシッと気を付けの姿勢で佇むその人物は、遠目からでもすぐに分かる、最愛の人。
『分列行進ー!!』
彼が張り上げた声でブラスバンドの曲が始まり、行進が開始された。
一番先頭を歩くのは…サトシくんだ!
厳かな雰囲気だけは壊さないよう、声を張り上げたい気持ちを抑え、お義母さんとお義父さんに小声で話した。
「サトシくん…一番先頭歩いてますよ!!」
「ホントねぇ!」「やるな。サトシ。」
彼はキリッとした精悍な顔つきで真っ直ぐに前方を見つめたまま、美しい動作で行進する。
彼の目にあったはずの幼さは影を潜めていて、すっかり大人の顔つきになっていた。
黒の綺麗な制服に身を包み、白い手袋をはめて歩く姿が眩しい程にかっこいい。
お義母さんは「バスの運転手みたい」とか茶化してたけど…。
私の目の前に来た時、彼は再び声を張り上げた。
『かしら〜中!!』
彼の張り上げる声に、一糸乱れぬ動きで敬礼台の上にいる偉い人へ敬礼し、歩みを進めていった。
行進だけしか見ていないというのに、彼の一年の頑張りを垣間見た気がして、涙が出た。