この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ノーサイドなんて知らない
第9章 それぞれの想い
熊野さんのお兄様たちの結婚式は、
奇跡的に取れた軽井沢の教会で挙げることが出来た。

カメラマンに岡村さんをお願いして、
本当に近しい親族だけでささやかな式になったけど、
お義姉様の美しさは他には比べようのないほどだということで、
全員の意見は一致した。

家族写真も撮れて、
とても良い記念になった。


それをアルバムや額装仕立てにしたものを手に、
2人はアメリカへと旅立って行った。


渡米する前日に、
お義姉様が私をそっと抱き締めて、
背中を撫でながら優しく話をしてくれた。


相貌失認は治るということは難しいけど、
子育てにも夫婦生活にも全く影響はない。

むしろ、お互いを思い遣ることが出来て、
絆も深めてくれる。

健(たける)さんも、
大きくなったら、
熊野さんと同じように、
もしかしたらそれ以上に、
優しくなって、私を守ろうとしてくれるようになるに違いない。

そして、私はある意味、
とても強い精神力があるから、
しっかり子育ても出来る。
だから、第二子、第三子を授かっても、
ちゃんと子育て出来るはずだと。


私は泣きながらお義姉様にしがみついてしまう。

それを見て、
熊野さんとお兄様は笑っているようだった。


熊野さんの車で翌日、成田まで送って、
飛行機が飛び立つのを見ていた。


「健(たける)が大きくなったら、
遊びに連れて行こうね?
イギリスとフランスにも連れて行かないとな。
あちこち、行く処があって、
羨ましいな」と言って、
私を抱き締めてキスをしてくれる。


「やだ。
恥ずかしいわ?」と言うと、

「平気だよ。
ほら、周りもカップルばかりで、
みんなキスしてるもん」と囁いた。



その週末に引っ越しをした。


主寝室のベッドはそのまま使うことにしていたけど、
わざわざ、マットレスだけはと買い替えてくださっていたのが、
お義姉様の奥ゆかしさを感じた。


元々、家具も少なくて、
あまり生活感もないお家だったので、
私の部屋と雰囲気が似ている気がした。


少しだけ家具を買い足したり、
カーテンを変えたりして、
私たちの家にカスタマイズしていくことにした。


健(たける)さんも暫く、
私たちと同じ部屋に寝ることになるので、
ベビーベッドを隣から移動させた。


すぐ隣に熊野さんのご両親がいるので、
安心して新生活をスタート出来た。
/113ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ