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ノーサイドなんて知らない
第8章 言葉に出来ない不安
3日ほどの入院で、
体調はかなり落ち着いてきたとのことで、
4日目に退院することになった。
退院の時は、
熊野さんのお母様が心配して駆け付けてくださった。
「メアリーさん、ごめんなさいね。
私たち、嬉しくてはしゃぎ過ぎたわね?
薫も、お料理くらい、しなさいね?
私も近いし、
いつでも飛んでいくから、
何かあったらすぐに言ってね?」と言うお母様に、
甘えることにした。
それで、3日に一度くらい、
顔を出してくださるようになった。
「男の子しかいなかったから…。
娘って、良いわね?」と言ってくださり、
一緒にのんびりお料理をしたり、
お茶を飲んだりして過ごした。
二世帯住宅に同居しているお兄様たちのところは、
残念ながら、お子様はいらっしゃらないとのことだった。
お義姉様は、
お兄様より6歳上で、
お2人とも、お子様は望んでいないと言っているようだった。
「私たちと同じ年齢差なのに…」と呟くと、
「私からは何も言えないし、
2人で決めたことですものね」と、
お母様は少し寂しそうなお顔をしたようだった。
お兄様と違う病院に勤務する外科医らしく、
責任が重いお仕事をされているからなのかなと思った。
「メアリーさん、
本当に布オムツ、使うの?
今でも売ってるのかしら?」
「反物で見つけたので、
のんびり手縫いしようと思ってます」
「ミシンじゃなくて?」
「手縫いの方が、
縫い目も固くならないから、
お肌に当たった時も柔らかいかなと思って…」
「まあ。
それじゃあ、おばあちゃまにも声、掛けようかしら?
懐かしいって言うと思うから」と、
楽しそうに笑う。
「肌着とかも縫いたくて。
楽しいですね?」と言うと、
「本当ね。
私も2人とも、布オムツだったの。
お洗濯して、干してる時、
すごく清々しくて嬉しかったわ」と、
遠くを見るような表情をしている気がした。
家に、お祖母様まで来てくださるようになって、
熊野さんは蚊帳の外で、
針と糸を手に、
楽しい時間を過ごすようになって、
少しずつお腹が大きくなっていった。
体調はかなり落ち着いてきたとのことで、
4日目に退院することになった。
退院の時は、
熊野さんのお母様が心配して駆け付けてくださった。
「メアリーさん、ごめんなさいね。
私たち、嬉しくてはしゃぎ過ぎたわね?
薫も、お料理くらい、しなさいね?
私も近いし、
いつでも飛んでいくから、
何かあったらすぐに言ってね?」と言うお母様に、
甘えることにした。
それで、3日に一度くらい、
顔を出してくださるようになった。
「男の子しかいなかったから…。
娘って、良いわね?」と言ってくださり、
一緒にのんびりお料理をしたり、
お茶を飲んだりして過ごした。
二世帯住宅に同居しているお兄様たちのところは、
残念ながら、お子様はいらっしゃらないとのことだった。
お義姉様は、
お兄様より6歳上で、
お2人とも、お子様は望んでいないと言っているようだった。
「私たちと同じ年齢差なのに…」と呟くと、
「私からは何も言えないし、
2人で決めたことですものね」と、
お母様は少し寂しそうなお顔をしたようだった。
お兄様と違う病院に勤務する外科医らしく、
責任が重いお仕事をされているからなのかなと思った。
「メアリーさん、
本当に布オムツ、使うの?
今でも売ってるのかしら?」
「反物で見つけたので、
のんびり手縫いしようと思ってます」
「ミシンじゃなくて?」
「手縫いの方が、
縫い目も固くならないから、
お肌に当たった時も柔らかいかなと思って…」
「まあ。
それじゃあ、おばあちゃまにも声、掛けようかしら?
懐かしいって言うと思うから」と、
楽しそうに笑う。
「肌着とかも縫いたくて。
楽しいですね?」と言うと、
「本当ね。
私も2人とも、布オムツだったの。
お洗濯して、干してる時、
すごく清々しくて嬉しかったわ」と、
遠くを見るような表情をしている気がした。
家に、お祖母様まで来てくださるようになって、
熊野さんは蚊帳の外で、
針と糸を手に、
楽しい時間を過ごすようになって、
少しずつお腹が大きくなっていった。