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第60章 （６０）

「そういうことはホテルでやって」　

りのは深く息を吐いて正面を見つめていた。

紅羽も深く息を吐き、うつろなりのの横顔を見る。

すると、店の主任がやってきて

「りのさん。お疲れ様でした。オーナーからあがっていいとの指示です」

りのはハッと我に帰り

「いいの？まだ時間残ってるけど？」

紅羽はりのの肩に手を置き

「オーナーが言ってるんだからいいんじゃない？短い間だったけど一緒に働けて楽しかった。りのちゃん、お疲れ様」

りのは立ち上がって紅羽に頭を下げ

「こちらこそ、お世話になりました」