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私の家庭教師はAV男優
第10章 ⑩
二人は口をナプキンで拭き終わり

「君は律儀だよな」  

まりんはメロンソーダのストローを回して氷の音をカラカラ鳴らす。

「何がですか?」

秋葉は腕組みをして椅子の背もたれに背中をつけて

「俺が家庭教師じゃなくなってから、一度も先生って呼んでないよな」

「そうですよ。だって先生じゃないですもん」

「普通は間違って呼んでしまいそうなもんだが一度も無いよな」

「先生じゃないですから呼び間違いはしませんよ」

「それどころか、俺のことを固有名詞で呼んでいない」

「そうでした?」

秋葉は腕組みをやめて、前のめりになり

「そうだよ。だったら俺のこと呼んでみてくれ。何て呼ぶかを知りたい」
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