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第15章 （１５）

まりんは学校のカバンから教科書を取り出して秋葉の前に置いた。

「井端りの。。。。」

教科書に書いてある名前を読む。

「これはあの子の？」

まりんは笑いながら教科書を手に取り

「りのちゃん、ドジだから英語の演習の時に私の教科書を間違えて持って帰ったみたいで。私も気づかなくて教科書を開いてみたらこれが」

教科書を開こうとすると

秋葉は膝を立てて

「そのページに俺のことが好きだという証拠みたいなものが書かれてあるのか？」

「とにかく見てください」

秋葉はカバンを持って立ち上がり

「そこに書かれてある内容が何であれ俺には関係ない。そもそも今の俺はあいつと何の関係性もない」

まりんは教科書をパタッと閉じて学校のカバンに入れた。

「今の俺。。。。。」　　

まりんがつぶやくと

「じゃあ、また。ごちそうさま。美味かったよ」

秋葉が玄関に行こうとすると

「今の俺は、フリーなんですか？」

「ん？何？」

「気持ちも、心もフリーなんですか？」

「何のこと？」