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第106章 （終章２１）

驪亜は前席の方に身を乗り出し、正面を指差した。

「あそこに止めろって？」

運転手が言うと、驪亜は頷いた。

運転手はタバコを窓の外に捨てて

「全然距離を稼いでないじゃねぇか。全くセコイ客だな」

運転手はタクシーを止めた。

運転手は後部座席の方を見て、蕾葉に手を差し出して

「十万くれよ」

蕾葉はタクシーメーターを見て

「何で十万なんだ？メーターに２７００円って出てるだろ？」