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妻の弟の妻〜夫の姉の夫〜
第6章 狂う歯車と動く歯車
帰宅して布団に入ると、妻はまだ起きていた。


「…どこ行ってたの。」

…この声…怒ってる。

『頭冷やすために外に行ってた。』
「ふーん。」

頭を冷やすために外に出たのは嘘じゃない。





「ねぇ、あなたはさ…私の身体目当てで結婚したの?」



……はぁ?
何言ってんだよ。
ふざけるのも大概にしてくれ。


『んなわけないじゃん。』
「じゃあ何でそんなにしたいわけ?」


『…愛してるから。何度も言ってるじゃん。』



…我ながら…どの口が言ってるんだ。
たった今さっき華とあんな事をしておいて…。
良心を苛まれたが、妻の一言に腹が立ち、言葉が止まらなくなった。



『夫婦がセックスするのがそんなにおかしいか?本当に身体目的なら…こんなに苦しまねぇよ。』
「…私はこんな事で嫌な空気になりたくない。」

『そりゃ俺もだよ。
だから自分で消化しながら頑張って我慢してたんだよ。何ヶ月も。
それなのに俺が悪いってのか?』

「…私は別にしなくてもいいもん。愛を伝えるのはそれだけじゃないでしょ?」






…既に腹は立てていた。
しかしその一言に、俺は怒髪天をつく勢いで怒りが込み上げた。







『じゃあ言わせてもらうがな!!
お前が最近、俺に「好き」「愛してる」の一言でも言ったか?
給料日に「ありがとう」の一言でもあったか?
さもトーゼンのようにしてるけどなぁ!俺は死ぬかもしれない仕事をしながら命かけてんだよ!家族のために!
自分のためじゃねえ!お前と子どもたちのためだ!

そりゃあ家事をしてもらって感謝はしてるさ。それを当たり前と思わないように、ありがとうを口に出すように心がけてる!家事の休みの日を作るように心がけてる!

お前は…それが当たり前だと思ってないか?
それが愛を伝えてるって言うのかよ!俺はここ数ヶ月お前の愛を感じてない。だからこんなに苦しいんだよ。

俺の一方通行で、俺は愛されてないんじゃないかって…心が張り裂けそうなくらい苦しいんだよ。』








自分の裏切りと悪事は棚に上げておきながら、妻に対して込み上げた怒りをぶちまけ、怒声を浴びせた。
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