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妻の弟の妻〜夫の姉の夫〜
第6章 狂う歯車と動く歯車
『クソッ!こんな風になりたくなかったから頭冷やすために外に出たのに…。


こんなん息が詰まるわ。
結局俺をただの同居人かATM扱いしてるだけじゃねぇか、胸クソわりぃ。


怒鳴ったのは俺が悪かった。
だけど、俺にも我慢の限界ってもんがあるわ。



…今日は外に泊まる。
こんな息が詰まる家にいてもクールダウンできねぇよ。』




妻は泣いていた。
普段から妻を含めたいろんな人に言われていた事だが、気は長い方だ。
だからこそ俺が急に怒鳴ったのが怖かったのか、それとも悲しかったのか…傷つけてしまったことは間違いないだろう。
いままでにない剣幕で、ひどい言葉をぶつけてしまった。口調まで変わってしまう程に腹を立ててしまった。

しかし、吐き出した言葉はもう飲み込めない。


今まで俺が怒鳴ったことは1回か2回程度だったはず。
それも、妻の言葉を遮るための一言二言程度。




今までなら何時間でも側にいて不満を聞き、自分が悪かった所と直すべき所を考え、話し、直すことを心掛けていた。
夫婦はお互い他人、そして男と女。生き物としての構造が違うんだから、いろんなことの価値観、考え方は違って当たり前。
亭主関白で俺の考えを押し付けるなんて滑稽だと思っていた。




だが、さすがに我慢の限界だ。
我が家はこれまでむしろカカア天下に近かったと思う。








今まで溜め込んでいた不満と怒りの一端をぶちまけ、涙を流す妻を置いて再び家を飛び出した。

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