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私じゃなくても
第1章 隣の部屋
ここかぁ…

ちょっと古いけど
期間限定やし
しゃあないか。
風呂入られるだけマシやし。

そう思いながら
俺は
早速風呂場へと向かい
その扉を開けると

はぁ…と大袈裟な溜息をついた。

なんで古い社宅やのに
ユニットバスやねん。
バストイレいっしよやんけ。
あー、ゆっくり風呂入りたかったのになー。
ユニットバスは
身体洗う時
シャワーカーテンとか
邪魔くさいのが嫌やねん。
ホテルみたいで。

とかなんとか
心の中で呟いてると
隣の部屋から
赤ちゃんの泣き声が聞こえて来た。

あぁ、せや
隣の部屋に住んでる奥村さん
赤ちゃん産まれたばっかりやったなぁ。
それにしても
よう泣いてるなぁ。
具合でも悪いんやろうか。

俺は
隣の部屋が気になりながら
バスルームを後にし
リビングのTVをつけた。
それでも
まだ少し赤ちゃんの泣き声が聞こえてくる。

厄介な部屋
当たってしもたな…。

それは本音やった。

俺は交代勤務やってて
昼間寝ることも多いからや。
まぁ
二ヶ月の辛抱やけど。

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