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私じゃなくても
第4章 秘密のはじまり


そして
早瀬さんは
遠慮がちな小さな声で
私に声をかけた


「和香さん」


優しい声

どうしてそんなに
優しいの?


「具合が悪いわけやないよな?
ちゃうかったら
ノックしてくれへん?
心配でたまらへん」


心配……うっ…

タカくんでさえ
言ってはくれないその言葉で
また涙が込み上げ
私は口元を抑えながら座り込んで
早瀬さんに
ノックを返した


コンコン…


「病気やのうてよかった。

泣いてんのは
心配やけど」


「……」


早瀬さんの言葉と
ボードの向こうの
早瀬さんの気配が
たまらなく優しくて
私の胸が熱くなる。

涙で声にならないでいると


「喧嘩でもしたんか?」


と、囁くような
早瀬さんの声が聞こえた。


『奥村さん遅いな』
というメッセージ以降
私が返信をしなくなったから
泣いてる理由が
タカくんとの喧嘩かも
と、早瀬さんは思ってるみたい

喧嘩なんてしてない

喧嘩するほど
タカくんと
同じ時間を過ごしてもない

だから私は咄嗟に
「違うの」と
メッセージではなく
声を出して
返事をしてしまった。

そう

その返事が

タカくんには言えない

早瀬さんと私の
秘密の始まりだった。

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