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エイコー五霞餅ぷらざ
第1章 1
2040年6月10日(木)
午前11時30分 今日は雨だった。梅雨入りしたばかりで朝からずっと降り続けている。昨日の夕方に降った大雨の影響で道路に水たまりができていて、私は傘を差しながら通学路を歩いていた。
学校に着くと靴箱の前に人が集まっていて騒がしかった。何事かと近づいてみると、そこには上履きの上に手紙が置かれていた。どうやらラブレターのようだ。差出人は隣のクラスの男子らしい。
手紙を受け取って教室に向かう途中も周りからの視線を感じた。いつもは私の姿を見ると挨拶してくれる子たちですら何も言わずにそそくさと立ち去っていく。きっと私の噂を聞いているのだろう。私のことをよく思わない人たちがいることも知っている。
だけど今はもう気にしていない。私が何をしたって周りの人たちは変わらない。そういうものだと思って諦めるしかなかった。
教室に入ると私の机の周りには誰もいなかった。ただひとつだけ違うことがあった。それは私の机の上が落書きだらけになっていることだった。
最初は何が書いてあるのか分からなかったけど、じっくり見ているうちに気づいた。これはいわゆるいじめだ。
誰がやったのかは分からないけれど、多分女子だと思った。こういう嫌がらせをする子はだいたい女子だと思っていたから。そういえば小学生の頃にも似たようなことが何度かあった。その時は担任の教師に相談したらすぐに解決してくれたっけ。
今のクラスになってからは初めてのことだ。前のクラスでも同じ経験をしたことがあるから対処法を知っている。
まずは掃除用具入れの中から雑巾を取り出して濡れていない床を拭く。それから雑巾を置いて机の中に入っていた教科書とノートを取り出す。そして新しいページを開いてペンケースの中に入っているシャープペンシルで書き始める。
書いた文字はたった一文だけだ。
――あなたたちの顔なんて見たくない それだけ書くと私はシャープペンシルを置いた。これでしばらくは様子を見ようと思う。私は椅子に座って授業が始まるまで本を読むことにした。読みかけのミステリー小説の続きが気になっていたから。
しばらくするとクラスメイトたちが戻ってきた。みんな何か言いたげな顔をしているように見えた。
休み時間になると数人の女子が私の席にやってきた。彼女たちは私の方を睨みつけていた。どうせまた悪口を言われるんだろう。そんな風に思っていた。
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