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朧気な花
第1章 初めてのお付き合い




「あははは〜。美月、このテレビ面白いね」

 美月の部屋は至ってシンプル。家具はベッドとローテーブルが置いてある。 
 ローテーブルの前に二人並んで座り、タブレットでテレビ番組を見ていると、秋斗が美月の顔を覗き込んだ。

「ね?面白いね」

「うん……」

 そのままじっと顔を見つめてくると、秋斗は真剣に尋ねる。

「…キスしていい?」

 その質問に美月が頷くと、秋斗はゆっくり顔を近づけ、自分の唇を美月の唇に重ねた。

「……」

「……」

 初めてしてしまった……

「秋斗の唇、やわらかい」

「ふふ、美月のだって」

 目を細めて笑うと、秋斗が美月の唇を人差し指で触る。

「ふにふにー。美味しそう」

 ふふっと笑うと、秋斗はあむっと美月の下唇を食んだ。

「秋斗……」

 恥ずかし過ぎて、全身熱い。美月はドキドキしながら、ギュッと両目を瞑る。

「大丈夫だよ。美月の嫌な事はしないから」

 秋斗が頭をよしよしと撫でると、美月はほっとした。


 
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