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ムッツリ最高
第3章 出会い
'もう、会うしかないんじゃない??
実は、たとえ君がどこにいようとも、そろそろ、会いに行こうと思っていたんだよ。"

会う・・・実際に会うなんて・・・。

 躊躇っていると、彼がメッセージを送ってくる。

"僕がひどいブサイクだったら、ゲンナリする、とか思って怯んだ?"

 違う。もう、彼の外見はどうでもいいのだ。こんなに、私の劣情を受け止めて、こんなに改めて表現してくれる人はもう二度と現れない。

 むしろ、だからこそ、私に自信がないのだ。

 私は、もう45歳の、太ったおばさんなのだ。

 彼はとても素敵な人で、周りには美しい女性がたくさんいて、私はその人たちと比べられてしまうだろう。そのうえ、私はとめどなくいやらしい女なのだ。

 小さな頃からそうだったけれど、最近は一段と自分の中の女が疼き、子宮の奥が感じるのだ。
 こんな年になればいつかは性欲も収まると思っていたのに、私の身体はそのいやらしさを増している。
 こんな本当の姿を見たら、その浅ましさに、さすがに彼も呆れてしまうかもしれない・・・。

 そのことを、素直に、彼に送ってみる。

"私は、いやらしい妄想が止まらない、45歳の、太った女です。
そんな自分が、t-Kさんの前に姿を晒すことが、怖いんです。"

 何十秒か経った後、彼のメッセージに、これまでの彼の投稿の中からの抜粋と、彼のプロフィールからの抜粋が載せられていた。

 これまでの投稿は、肉付きの良い40代の人妻を優しく弄ぶ話、そして、プロフィールからは、

「吐息を掛け合うだけで、ただ、手を握り合うだけで、エクスタシーを感じるほどにつながりあえる人に巡り合いたい。」

彼なら・・・私を受け止めてくれるということ??

 どうしていいかわからない私へ彼のメッセージが届く。

"明日、19時、タカクラホテルの、バーで。
メガネをかけた、ムラカミハルキの文庫本を持った冴えない男がいたら、僕だよ。"
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