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桜が咲く頃逢えたら
第10章 急転直下
夏休みになった。
夜の予備校の他に、
週に2回の昼間の夏期講習に行くことにした。

それ以外の日は、私の家に安西くんが来て、
ダイニングテーブルか私の部屋で勉強をして過ごしていた。

私の部屋の時は、
いつも安西くんは部屋のドアを開けっ放しにするので、
「別にドア、
閉めてても良いのよ?」と、
ママがいつも笑ってた。


「あなた達、たまには海とかに行けば良いのに」とママは言うけど、
日焼けも苦手だし、
人混みも苦手な私は、
家で過ごす方が快適だった。

夜、涼しくなってから、
2人で犬たちのお散歩に行ったりはしていた。


来年は、択一だけでも受かりたいよね?


そんな話をしてるから、
結構勉強はすることがたくさんあって、
それはそれで面白かったりしていた。


安西くんの話も少しずつ聞いた。

男ばかりの3人兄弟の末っ子で、
少し歳も離れていたから、
結構、お兄様達からもご両親様からも甘やかされて育った気がしてて、
なるべく寡黙で男らしくしたいと思ってること。

お父様は弁護士で、
上のお兄様達も弁護士だけど、
真ん中のお兄様はアメリカ在住だということ。

自分だけ東大に落ちてしまったことも、
少し気にしていることなんかを、
ポツポツと話してくれてた。


小学校から私立の附属の男子校に行って、
東大行くつもりが落ちて、
上の大学とはライバル校と言われている大学に結局入った。

高橋くんとは、小学校から一緒で、
内部進学には内申点が足りなくて、
医学部受けたけど上の大学は落ちて、
市立の医大になったから、
なんとなく2人とも、附属時代の友達とは疎遠になってて、
その分、仲が良いかもと言っていた。



夏の逗子や湘南海岸は、
外からの車で混み合うことも多くて、
恐る恐る安西くんのオートバイの後ろに乗って、
カフェに足を伸ばすこともあった。


「瑞樹ちゃんが緊張して掴まってるとさ、
こっちも緊張するよ?」と、
安西くんに言われてしまって、
どうしたものかといつも考えながら、
やっぱりオートバイは無防備な感じがして怖くて、
ギュッと腕を回して乗っていた。



亮平さんは忙しいらしくて、
LINEの返信も本当に一言くらいか、
既読にもならないこともあったけど、
そんな時は指輪をそっと撫でてやり過ごしていた。

夏は静かに進んでいった。
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