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桜が咲く頃逢えたら
第10章 急転直下
安西くんの部屋で、ポロポロと涙を流しながら、
「どうして、あんなこと…」と言おうとするけど、
言葉が続かない。
「おばさまにもご心配を掛けてしまって、
安西くんのことを悪者にしてしまったわ?」と言うと、
私を優しく抱き締めて、
「そんなこと、大したことじゃないよ?
もしかしたら、僕、
瑞樹ちゃんに恩を売って、
僕の元に、がんじがらめにしようとしてる本当の悪者なのかもよ?」と笑った。
「えっ?」
「半分冗談だけど、
そういうズルい気持ちもあるかも。
でも、瑞樹ちゃんの身体、心配なのは本当だよ?
だから、暫くは…。
確か6ヶ月に入るまでだっけ?
それまでは、可能なら瑞樹ちゃんのご両親には内緒にしよう?
バレちゃったら、
僕が瑞樹ちゃんのおじさんに、殴られるからさ」と髪を撫でてくれた。
「明日か明後日には、
ご両親、帰って来ちゃうよね?
実家に戻っても、本当に安静にしてね?
僕も、毎日、行くから」と言ってそっと抱き寄せて額にキスをしてくれた。
その日の夜、江川さんに電話をしてみると、
3回ほどのコールで電話に出てくれたけど、
外らしくてとても賑やかな場所に居るらしくて、
あまり声は聴こえなかった。
ショートメールで、
「今、外だから、
明日の朝、電話するね?」という連絡があった。
翌日の電話では、
「亮平、ちょっと深刻な状態でね…。
落ち着いたらお見舞いに来れるようにするから。
体調悪いって聞いたよ。
みーちゃん、気をつけてね」と、
いつもの柔らかい口調で言われたけど、
深刻な状態という言葉がずっしりと心にのし掛かってしまった。
更にその翌日に、両親が軽井沢から戻る時に、
安西くんの家に立ち寄ってくれた。
有名店のお菓子を渡しながら、
のんびりティータイムをして、
「本当に女の子、羨ましいわ?
悠介が居ない時にもいつでも遊びに来て欲しいわ」と、
安西くんのお母様が言ってくれる。
タロウをキャリーバッグに入れて、
久し振りにパパの車に乗り込んだ。
安西くんが、
「明日は予備校だから、
朝、迎えに行くね?」と言って、
見送ってくれた。
パパもママも上機嫌で、
「本当に悠介くん、良い子ね?」と言っていた。
「どうして、あんなこと…」と言おうとするけど、
言葉が続かない。
「おばさまにもご心配を掛けてしまって、
安西くんのことを悪者にしてしまったわ?」と言うと、
私を優しく抱き締めて、
「そんなこと、大したことじゃないよ?
もしかしたら、僕、
瑞樹ちゃんに恩を売って、
僕の元に、がんじがらめにしようとしてる本当の悪者なのかもよ?」と笑った。
「えっ?」
「半分冗談だけど、
そういうズルい気持ちもあるかも。
でも、瑞樹ちゃんの身体、心配なのは本当だよ?
だから、暫くは…。
確か6ヶ月に入るまでだっけ?
それまでは、可能なら瑞樹ちゃんのご両親には内緒にしよう?
バレちゃったら、
僕が瑞樹ちゃんのおじさんに、殴られるからさ」と髪を撫でてくれた。
「明日か明後日には、
ご両親、帰って来ちゃうよね?
実家に戻っても、本当に安静にしてね?
僕も、毎日、行くから」と言ってそっと抱き寄せて額にキスをしてくれた。
その日の夜、江川さんに電話をしてみると、
3回ほどのコールで電話に出てくれたけど、
外らしくてとても賑やかな場所に居るらしくて、
あまり声は聴こえなかった。
ショートメールで、
「今、外だから、
明日の朝、電話するね?」という連絡があった。
翌日の電話では、
「亮平、ちょっと深刻な状態でね…。
落ち着いたらお見舞いに来れるようにするから。
体調悪いって聞いたよ。
みーちゃん、気をつけてね」と、
いつもの柔らかい口調で言われたけど、
深刻な状態という言葉がずっしりと心にのし掛かってしまった。
更にその翌日に、両親が軽井沢から戻る時に、
安西くんの家に立ち寄ってくれた。
有名店のお菓子を渡しながら、
のんびりティータイムをして、
「本当に女の子、羨ましいわ?
悠介が居ない時にもいつでも遊びに来て欲しいわ」と、
安西くんのお母様が言ってくれる。
タロウをキャリーバッグに入れて、
久し振りにパパの車に乗り込んだ。
安西くんが、
「明日は予備校だから、
朝、迎えに行くね?」と言って、
見送ってくれた。
パパもママも上機嫌で、
「本当に悠介くん、良い子ね?」と言っていた。