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桜が咲く頃逢えたら
第11章 暗闇の中へ
いつもの日々に少しずつ戻って行った。


安西くんが家まで迎えに来てくれて、
一緒に勉強をしたり、
予備校に連れて行ってくれる。

少し違うのは、
私の体調が悪い時には、
予備校ではなくて、
安西くんのご自宅で車から降ろされて、
そこで休ませて貰っていたこと。


大学が始まってもそんな感じで、
私は大学でも体調を崩して医務室で休んでいたり、
安西くんのご自宅で休ませていただくこともあった。


安西くんのお母様はとても私のことを心配してくださって、
そのことで負い目を感じることも多くて、
無理してとにかく大学までは行こうとしていた。


安西くんと安西くんのお母様への申し訳ない気持ちがピークに達してしまったのか、
具合が悪くてもどうしても辛くて安西くんの家には行けないと、
安西くんを困らせてしまって、
安西くんは紘子さんに助けて貰おうかと言った。


そして、本当に久し振りに、
紘子さんと2人で住んでいた部屋に行った。


「ちょっと散らかってるけど…」と笑う紘子さん自身は以前と変わってなかったけど、
すぐに私の異変に気付いてくれた。


「瑞樹さん、ちょっと…!
大丈夫?
ひょっとして、赤ちゃん?」
と、安西くんに気遣いながら小さい声で訊きながら私をソファに座らせるとブランケットを掛けてくれる。


「そうなの…」と言うと、
紘子さんは安西くんの顔を見た。


「僕との子供ってことにしてるから」

「えっ?」

「僕の母さんにはそう言ってあるけど、
まだ、瑞樹ちゃんのご両親は知らないんだ」と、
安西くんは当たり前のような顔で言う。


「瑞樹さん…。
父親って?」

「亮平さんなの」

「ちょっと、どうして?
ああ、それは良いけどさ。
亮平さんはどうしたの?
安西くんが父親ってことにしてあるって?」

説明しようとするけど、
涙で言葉が続かない。


「瑞樹ちゃん、どうしても産みたいって言ってるんだけど、
亮平さんてヒト、会えなくてさ」

「会えないって、どういうこと?
逃げたの?」

「ちが…う…の…」

「えっとね。
病気で、深刻な状態なんだって。
だから、妊娠したことも伝えられないんだよね」と、
安西くんは私の代わりに説明してくれる。

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