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桜が咲く頃逢えたら
第11章 暗闇の中へ
「えっ?」

「それでも瑞樹ちゃん、産みたいっていうから、
僕との間の子供だってすればって。
6ヶ月過ぎたら堕胎出来ないから、
それまで隠せれば良いけど、
バレちゃったら、堕ろせって言われるかもしれないでしょ?」と、
冷静な口調で続けた。


「一度流産しそうになってて、
その後も体調、良くないから心配でさ。
大学で倒れたりすることもあったから、
無理して通学させたくないし、
僕の家だと、母さんに気遣って休まらないだろうし、
だったらここで横になってて貰ってたらどうかなって」


私は優しい安西くんの声を聴きながら、
瞳を閉じた。


「ん。
判った。
安西悠介、優し過ぎだね?
瑞樹さん、安西くんと結婚した方が良いって。
こんなに優しいオトコ、
他には居ないよ?」と、ふざけた口調で言われるけど、
それは本当にその通りだと思っていた。


「でも、ちょっと問題もあるよ?
私、11月にはここを出て、
実家に戻る予定なの」

「えっ?」

「卒業だし、多分国家試験は受かると思うけど、
実家で花嫁修業しなさいって…」

「花嫁修業?」

「高橋くん、まだまだ医者にはなれないけど、
パパに紹介したら気に入って貰えたみたいで、
私が卒業したら、結婚して良いって。
私はそのまま、取り敢えず実家の病院で勤務しながら、
実家の敷地の中で高橋くんと新婚生活送れば良いって」


「紘子さん、おめでとう!」

「でも、そしたらここ、
誰も居ないってことになるから、
瑞樹さん、ここに来れなくなるんじゃない?
あ!
瑞樹さんと安西くんが住めば良いのかな?」と笑うけど、
そんなこと、絶対に許して貰えないだろうと思った。


「んー。
先のことは後で考えることにして、
今はとにかく瑞樹ちゃん、身体を休めてて?
大学終わったら迎えに来るからね?」と言って、
手をそっと握ると、
安西くんは部屋を出た。





「瑞樹さん、
安西くん、本当に良いヒトだね?」と言われて、
私も心からそう思って頷く。


「亮平さんの快復なんて待たないで、
安西くんと結婚しなよ?
それがベストじゃないの?」

「でも…」

「安西くんと寝た?」

「えっ?
まさか…」

「セックスもしてない。
他のオトコとの間に赤ちゃん授かってる。
それなのに、瑞樹さんを守ろうとしてるんだよ?」


本当にその通りだけど…。
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