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桜が咲く頃逢えたら
第6章 少しのジェラシー
紘子さんの連絡で、同窓会実行委員会と称して集まることになった。

高橋くんは帰国したばかりで、時差ボケだと言うので、
横浜で会うことになった。


安西くんがわざわざ、マンションまで迎えに来てくれることになって、
私が後部座席に乗って、紘子さんが助手席に乗ると、
ミラー越しに私に笑いかけてくれるのが何だか恥ずかしくなってしまった。


「久々にドルフィンに行きたい!」と紘子さんが言ってたので、
待ち合わせ場所はお店でとなっていた。

眠たそうな顔で遅刻してきた高橋くんは、
ほとんど子供の頃の面影はなかった。


お互いに近況を報告し合うと、
高橋くんは市大の医学部に行っていると聞いて、
紘子さんがそっと私に目配せをした。

安西くんは、都の西北の法学部だと言う。

私は大学名を言い難くなってしまって、
「同じ法学部…かな」とだけ言った。


この前、安西くんがメモしながら私と話をした内容を共有すると、
「そこまで話してるなら、それで良いじゃん」と、
高橋くんは欠伸をしながら言って、
「それより、折角4人居るからさ、
映画観に行かない?」と言った。


思い出した。
高橋くんは、楽天的で、
遊ぶのが大好きなコだった。

今もそうなのかな?


紘子さんと楽しそうにスマホで、
どれを観に行くか選び始めて、
予約を取ると、
「じゃあ、移動しよう?」と言って席を立つので、
私と安西くんは慌てて立ち上がった。


横浜駅に車を停めて、
久し振りに映画館に入った。

男子2人がいそいそと飲み物とポップコーンを買って来てくれている間に、
紘子さんが目をキラリとさせながら、
「私、高橋くん、陥すからね?
医学部ならちょうど良いもん。
男子真ん中にして座っても良い?
取り敢えず、キスはしちゃおうかな?」

「えっ?」

「それ以上はしないから、大丈夫!
でも、盛り上がったらどうかな?
まあ、すぐそこにラブホあるしね?」とウィンクされて、
紅くなってしまった。
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