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桜が咲く頃逢えたら
第7章 桜咲く中、突然の別離
その夜は、
亮平さんを抱き締めるようにして、2人で丸まって眠った。


翌日、りんくんの処に新しいお水と持っていたお菓子を置いて、
「ちょっと出掛けて来るから、
パパ、よろしくね?」と声を掛けて、
「亮平さん、ちょっと自宅に行って来ますね?
食材とか、買って帰りますね?」と言って、
額にキスをして家を出た。



久し振りに帰宅した感じがして、
玄関に入った時もなんとなく、よそよそしく思えてしまう。

両親の靴が揃えて置いてある。
私は唇を噛み締めてから、中へと進む。


リビングに入ると、
ソファに両親が座っていて、
紘子さんはダイニングテーブルで困った顔をしていた。


「遅かったね?」と、
パパがとても怖い顔で言った。


これは…多分、もう話は聴いてくれないだろうと思った。


「紘子さんは知らないと言っていたんだけど、
瑞樹さんの大切な人って、男性よね?
どういう方なの?」とママが言った。


私は目を閉じて、
息を整えてから静かに話し始めた。


「年齢は、一回りほど上の方です。
ご結婚されてたけど、奥様の不貞行為が原因で離婚されてます。
お子様が居たけど難病で…。
残念ながら亡くなってしまって、
私、なるべく付き添ってあげたくて、
葬儀告別式が終わるまで一緒に居ました。
この後も一緒に居た…」


「ダメだ。
それは認められない。
実家に戻るよ?」


「でも、せめて四十九日まで…」

「いや。
ダメだ。
もう会うのもやめなさい。
離婚歴がある一回り上なんて」



「紘子さん、申し訳ないけど、
瑞樹さんの荷物、
残ったもの、適当に詰めて送ってくださる?
大学の教科書やノートだけで良いわ。
服や靴は急いでないし、
買えば良いからそのままで良いかしら?」と言って、
宅配便用にお金を渡していた。


スマホもパパに取り上げられてしまって、
「何かあったら、
逗子の家電話に連絡くださいね?」と、
紘子さんに言うと、
そのまま、引き摺られるように車に乗せられてしまった。

道中、早咲きの桜が散っているのを見ながら、
涙が止まらない。



実家に戻ってからは、
携帯も取り上げられたままで、
紘子さんに電話をするのも、
ママが聴いている状況で、
亮平さんに電話も出来ないまま、
家から出ることも出来なくなってしまった。
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