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桜が咲く頃逢えたら
第9章 新しいカタチ
桜が散るのを観ながら泣いてばかりではいられないと思うようになった私は、
これからの亮平さんとのことを考えていくことにした。


まずは、手に職。
そして、親から独り立ちする。


それで、大学の後、週に2回か3回、
司法試験用の予備校に通いたいとパパに相談してみた。

安西くんにも来て貰って、
帰りは必ず家まで送ってくれるという話をしてくれる。


「都内のマンションに戻ったら、
自分でも通えるのに…」と言ったけど、
それは許して貰えなかった。


「安西くんにご迷惑だわ?」と言ったら、
安西くんが、
「どうせ家からここまでなら、
たいした距離じゃないし、
ラッシュの電車で、酔っ払いのサラリーマンとかと一緒だと思ったら、
余計に心配だよ?」と言って、

「じゃあ、甘えさせて貰おうかな?
ガソリン代くらいは出させて欲しいな」とパパは言っていた。


新学期が始まると、
本当に毎朝、安西くんが迎えに来てくれるようになった。

大学で降ろされて、
帰りも図書館で時間調節してるとそこまで迎えに来てくれて、
私の家で夕食を一緒に取ることも多かった。


予備校の日は、かなり時間が遅くなるけど、
必ず家まで送ってくれて、
パパが同じ頃に帰宅するので、
「上がっていきなさい」と言うのを、
「明日も早いので…」と断って帰るような感じだった。


金曜の夜は、
「今夜は遅くても大丈夫だろう?」と言われて、
パパに引き留められていた。


「悠介くんは飲めるのかな?」と言って、

「まだ未成年だし、
車なので…」と断っているのを見ながら、

「私、ちょっと体調悪いので、
お部屋に行って休んでますね?
安西くん、今日もありがとう」と言うと、
パパがオロオロしだしてしまう。


「大丈夫よ?
ほら、女の子だから…」とママが言ってくれるので、
パパと安西くんは紅くなってるみたいだった。


階段に向かおうとして、
軽い貧血を起こしてしまったみたいで、
安西くんが、慌てて支えてくれる。


パパが、
「ちょっとそこのソファで休んでから、
寝室に行くと良いよ」と言って、
ブランケットをかけてくれた。


ママが持ってきた薬を飲んで目を閉じていたら、
そのうち眠ってしまったみたいだった。

安西くんが、
「じゃあ、今日はこれで。
また、月曜に迎えに来ますね?」と帰ったのも気がつかなかった。


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