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桜が咲く頃逢えたら
第9章 新しいカタチ
亮平さんのくれたスマホにはLINEが入っていたので、
毎日、他愛のないメッセージや写メを送ったりしていた。
でも、万が一、両親に見つかって没収されるのが怖かったので、
基本的に電源は常に切っていた。
亮平さんは、LINEは苦手みたいで、
一言二言、メッセージはくれるけど、
絵文字もなくて、シンプルな返信だけだった。
大学や予備校の合間、
どうしても声が聴きたい時だけ、
LINEで電話しても良いか訊いてから電話をした。
瑞樹、どうした?
元気かな?
身体は大丈夫?
会いたい。
キスしたい。
抱きたい。
一緒に丸まって寝たい。
LINEと違って、
電話の亮平さんはとてもストレートに気持ちを伝えてくれて、
私はいつも泣いてしまう。
夜、声が聴きたいこともあったけど、
このスマホのことを両親に知られたくないので、
会話は控えていた。
そして、4月最後の土曜日。
「司法試験予備校で、模試がある」と言って、
安西くんに迎えに来て貰って、
亮平さんから教えられたお寺に向かった。
車から降ろされて、
安西くんは大切なモノを渡すように、
亮平さんに私を託した。
「模試が終わったら、
ここに迎えに来れば良いかな?
時間は…18時半ごろになるよ。
絶対にここに来てね?」と言って、
安西くんは行ってしまった。
本堂で四十九日の法要が執り行われた。
そして、小さい骨壺がお墓に納骨される。
ゴールデンウィーク直前で、
初夏のような陽気だったので、
私は軽い貧血を起こしてしまって、
本堂脇の建物の応接室のような部屋のソファで休ませて頂いた。
亮平さんがそっと私の髪を撫でて優しく見つめていてくれる。
私は安心した気持ちで、
少し眠ってしまっていた。
夢の中で、りんくんは楽しそうに海辺で遊んでいた。
それを眺めている亮平さんも見えたけど、
その夢には私の姿はなかった。
きっと一人称目線の夢なのかな?と、
物凄く冷静に考えながら、
私は浅い夢の中にいた。
毎日、他愛のないメッセージや写メを送ったりしていた。
でも、万が一、両親に見つかって没収されるのが怖かったので、
基本的に電源は常に切っていた。
亮平さんは、LINEは苦手みたいで、
一言二言、メッセージはくれるけど、
絵文字もなくて、シンプルな返信だけだった。
大学や予備校の合間、
どうしても声が聴きたい時だけ、
LINEで電話しても良いか訊いてから電話をした。
瑞樹、どうした?
元気かな?
身体は大丈夫?
会いたい。
キスしたい。
抱きたい。
一緒に丸まって寝たい。
LINEと違って、
電話の亮平さんはとてもストレートに気持ちを伝えてくれて、
私はいつも泣いてしまう。
夜、声が聴きたいこともあったけど、
このスマホのことを両親に知られたくないので、
会話は控えていた。
そして、4月最後の土曜日。
「司法試験予備校で、模試がある」と言って、
安西くんに迎えに来て貰って、
亮平さんから教えられたお寺に向かった。
車から降ろされて、
安西くんは大切なモノを渡すように、
亮平さんに私を託した。
「模試が終わったら、
ここに迎えに来れば良いかな?
時間は…18時半ごろになるよ。
絶対にここに来てね?」と言って、
安西くんは行ってしまった。
本堂で四十九日の法要が執り行われた。
そして、小さい骨壺がお墓に納骨される。
ゴールデンウィーク直前で、
初夏のような陽気だったので、
私は軽い貧血を起こしてしまって、
本堂脇の建物の応接室のような部屋のソファで休ませて頂いた。
亮平さんがそっと私の髪を撫でて優しく見つめていてくれる。
私は安心した気持ちで、
少し眠ってしまっていた。
夢の中で、りんくんは楽しそうに海辺で遊んでいた。
それを眺めている亮平さんも見えたけど、
その夢には私の姿はなかった。
きっと一人称目線の夢なのかな?と、
物凄く冷静に考えながら、
私は浅い夢の中にいた。