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調教物語~ある男の性癖~
第26章 奇跡の再会

「さ、これで綺麗になったわ」

武郎に語りかけるでもなく、
独り言のようにそう呟いて
さっさとバスルームを出ていった。

『めちゃくちゃ怒っていたなあ…』

こりゃあ、調教に時間がかかるなあと
少しばかり反省しながら
バスタオルを腰に巻いてリビングルームに向かうと
裕美子もバスタオルを体に巻いただけの姿でビールを呑んでいた。

「俺もビールでも呑むかなあ…」

今度はお返しとばかりに
裕美子に話しかけるでもなく
独り言のように呟いて
冷蔵庫からビールを取り出した。

向かい合ってビールを喉に流し込んでいると
裕美子が不意に立ち上がって
「はい、これ…」と
アイスバッグを武郎の頬に押し当てた。

「あ…、ありがとう」

ぶたれてジンジンする頬に
アイスバッグの冷たさが心地よい

「痛かった?
私もまだ手のひらがジンジンしているわ」

「俺のほうこそ悪かった…」

裕美子は何も言わずに
背後から武郎に抱きついてきた。

「私ね…
学生の頃、付き合っていた彼氏に
アナルを求められたの」

武郎に語るでもなく
裕美子は昔話を唐突に話し始めた。

女の過去になど興味がない武郎だったが
何故だか裕美子の過去については知っておきたくて
話の腰を折らずに静かに聞き耳を立てた。





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