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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第1章 二世帯住宅 
「まー、その内にオヤジに言ってやるよ。あと、今夜も接待で遅くなるから夕飯は要らないから・・・じゃあ、行ってくる」

玄関に取り残された恵の心はひどく寒々と感じた。
恵は自分の身体を抱くように身震いした。

いつからであろうか。
「お出かけのキス」も無く、仕事に出ていくようになったのは。

新婚当時は時を惜しむように、恵の唇を味わってくれた夫であるのに。
自分が悪いのであろうか。

いや、どちらのせいとかの問題では無い。
こうして日々が、グラデーションをかけて色あせていくのであろう。
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