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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第7章 約束
恵が自分の息で更に曇ったガラスを手で拭くと、意外な光景が目についた。

土砂降りに煙る庭に義父が立っていた。
傘に隠れるようにして何やら垣根の葉っぱをいじっている。

雨に濡れた顔が、いつに無く穏やかに見えた。

恵はつい引き込まれるように窓を開け、義父の名を呼ぼうとした。
だが雨の音が強いのと変に興味が湧いて急いで玄関に廻り、傘をさして出ていった。
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