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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第72章 二人きりの夜
頃合を見計らって啓介はトイレに立った。
恵も一旦、身支度を整えに洗面所にいった。

鏡に映る自分の顔を眺めている。
ほんのり染めた頬は生気に満ち、幸せそうな笑顔を見せている。

初めて義父のものを見てしまった日の表情と似てはいるのだが、断然に増した美しさと健康そうな肌をしている。

こんなに幸せでいいのだろうか。
ふと湧きあがる不安に一瞬例の眉をひそめる表情になるのだが、直ぐに義父の顔を思い出し化粧を整えていく。
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