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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第72章 二人きりの夜
部屋に戻ってくると、啓介が真剣な顔で正座していた。
恵もその雰囲気に飲まれるかのように神妙に座った。

「めぐみ・・・。これ・・・」

男は懐から小さな箱を取り出して言った。
恵がそれを受け取ると顔を赤くしながら声を出した。

「開けて・・みい・・・」
恵は何かの期待に胸をときめかせながら蓋を開けると、ため息のような声をあげた。
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