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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第74章 あなた
「あっ・・・俺も・・な。
お茶・・・。
ああ・・・え、ええわ・・もう・・・。
美味かった・・ごっそさん・・・」

啓介はわざとらしく言葉を残すと、階段を昇って二階に消えていった。

武は別段気にも止めず、美味しそうに妻の入れてくれた御茶を啜っている。
恵は自分の顔を見られまいと、急いで食器を片付け始めた。

耳元まで真っ赤に染めている。
今、恵には夫が二人いるのだ。
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