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永眠を捨てた青少年
第3章 3
(4)
「あれ? なんでそんなにすぐ分かっちゃったの? いや見た目デブだし顔も全然違うでしょ? っていうか呼び捨てかよ」
禍須賀は、大げさに両手を横に広げながら言った。
小霧は禍須賀——鹿狩龍玄を見たまま握った拳を震わせている。
龍玄は軽い口調で続ける。
「そんなのすぐに受け入れられるか普通? 生まれ変わりとかスピリチュアルなの信じる系? ……ああそうか、お前自身が根本的にヘンテコリンな存在だもんな……だからといって怪しまないってのもどうなの小霧クン?」
小霧が低い声を出す。
「それが冗談だとしたら……そのネタだけは、ただでは済ませませんよ」
「何言ってんのよ、ウソでも本当でもタダじゃ済ませる気ないでしょお?」
龍玄はふざけるような口調で言った。
そして抱きかかえているしずの顔を見た。
「ということは……お前やっぱり、しずだな? だったら小霧がここまで執着する理由も分かるし、俺のこともあっさり受け入れられるわけだ。すでに別の生まれ変わりと会ってたんだから」
「やっぱりってどういう意味ですか」小霧が問いかける。