この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永眠を捨てた青少年
第3章 3
中には梅の髪飾りが入っていた。
小霧はそれをしずの髪につけた。
しずがやわらかい笑顔を見せる。
「しず……傷を治すのに体力を全部使っているので……寝落ちする前に言っておきます」
しずが静かにうなずく。
「……僕は本当につまらないことを怖がっていました。今度も、僕の方があなたに先に置いていかれることは分かりきっています。けど、それで構わない。それまでの間、僕と一緒に居てください」
しずは泣きそうな顔で笑いながら、うつむき、指で髪飾りをいじり、天井を見上げ、そしてまた小霧の顔を見た。
「……私の方が先におばあちゃんになっちゃいますけど、可愛いおばあちゃんになって、そして最後に小霧さまを置いてきぼりにしていきますね!」
満面の笑みをみせるしずの顔を、小霧は両手を伸ばして引き寄せた。
そして小霧は自分の唇をしずの唇に重ねた。
互いの舌が、求め合うように、むさぼるように動く。
小霧もしずも——どちらも心臓が激しく鼓動していることを自覚した。
それは痛いほどだった。何か鋭いものが心臓を刺し——脳の芯を突き抜けていくような感覚に包まれた。
小霧はそれをしずの髪につけた。
しずがやわらかい笑顔を見せる。
「しず……傷を治すのに体力を全部使っているので……寝落ちする前に言っておきます」
しずが静かにうなずく。
「……僕は本当につまらないことを怖がっていました。今度も、僕の方があなたに先に置いていかれることは分かりきっています。けど、それで構わない。それまでの間、僕と一緒に居てください」
しずは泣きそうな顔で笑いながら、うつむき、指で髪飾りをいじり、天井を見上げ、そしてまた小霧の顔を見た。
「……私の方が先におばあちゃんになっちゃいますけど、可愛いおばあちゃんになって、そして最後に小霧さまを置いてきぼりにしていきますね!」
満面の笑みをみせるしずの顔を、小霧は両手を伸ばして引き寄せた。
そして小霧は自分の唇をしずの唇に重ねた。
互いの舌が、求め合うように、むさぼるように動く。
小霧もしずも——どちらも心臓が激しく鼓動していることを自覚した。
それは痛いほどだった。何か鋭いものが心臓を刺し——脳の芯を突き抜けていくような感覚に包まれた。