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永眠を捨てた青少年
第3章 3
(6)
しずは目を覚ました。
部屋の中にはレースのカーテン越しに明るい太陽の光が入ってきている。
しずは眩しそうな目で上半身を起こした。
床のカーペットに正座したまま、ベッドの端で自分の両手を枕に突っ伏して寝ていたらしい。
重厚感ある木製のベッドには、薄手のかけ布団をかぶった小霧があお向けで静かに眠っている。
後ろを見ると、雀之丞が用意してくれたひとりがけのソファがあった。
しずはようやく、夜明け後に小霧を運ぶ雀之丞と一緒にこの部屋にやってきたことを思い出した。
こぢんまりとした六畳ほどの部屋だ。内装も質素だが清掃は隅々まで行き届いている。たしか、雀之丞が診察用に使っている部屋だと言っていたと思う。
しずはベッドに寝ている小霧の顔を見る。
そのとき、かすかな音が鳴った。
——ペリ……ペリ……ッ
しずは周りを見回す。
——ペリペリペリ……ッ