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永眠を捨てた青少年
第3章 3
 いや、何かが立てている音ではない。
 しずの頭の中で鳴っている感じがする。

 ふと、しずの意識が遠のいた。
 気がつけば、またベッドの端で突っ伏していた。
 はっとして体を上げる。

 え——?
 誰——だっけ……?
 ここはどこだったっけ……?
 少し、頭が痛い。

 そのとき、静かに入り口扉をノックする音がした。
 しずは我に返って飛び上がった。あわててソファに座る。

 今のは——意識を失っていたのだろうか。
 あるいは、寝不足で一瞬眠ってしまって寝ぼけたのだろうか。
 目の前のベッドにいるのは小霧だし、ここは小霧の屋敷内にある部屋だ。
 疲れがたまっているのかもしれない。

 ドアが開き、誰かが入ってきた。
 しずが振り向くと、白衣を着た雀之丞が立っていた。
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