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永眠を捨てた青少年
第2章 2
 しかし小霧は平気だった。お菊の店にあるなどと言えるはずがない。
 危険を承知で協力してくれたお菊に迷惑はかけられない。

 それよりも——
 牢に入れられてから頭の中を支配しているのは、しずの安否だ。
 それだけだった。
 この格子の外に自由に出られないことが——
 しずを捜しに行けないことが——
 何よりも苦しい。

 格子のすぐ外には見張りもいない。
 見張りがいれば、彼らとて家来なのだから、口を一切きいてくれないこともないだろう。そうなれば少しでも何か情報を得ることができるかもしれない。

 しかし、小霧は入れられてからずっと、ひとり放置されたままだった。
 刀など道具になるものは当然没収されていて脱走も図れない。

 しずのことが——状況が一切分からないことが、小霧の心を削り蝕んでいく。
 まだ、義父が目の前に現れて——折檻されながら詰問される方がましだ。

 小霧はいきなり両腕を振り上げて、拳で畳を強く叩いた。
 そのまま、何度も何度も叩くのを繰り返した。
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